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太田切川(おおたぎりがわ)は、長野県駒ヶ根市・上伊那郡宮田村を流れる川で、天竜川水系の一級河川〔『河川大事典』178ページ。〕。大田切川とも書く〔『上伊那誌』や『駒ヶ根市誌』では「大田切川」の表記を用いている。なお『駒ヶ根市誌』が「大田切川」の表記を用いているのは、初出とされる鎌倉時代の文献『吾妻鏡』での表記にならったものであるが、他の文献に合わせて「太田切川」の表記を用いているページもある(『駒ヶ根市誌 自然編 II』61ページ)。〕。 木曽山脈(中央アルプス)を水源とする伊那谷の川は、それぞれが扇状地を造り、さらに急勾配でまっすぐな深い谷を造り、田切と呼ばれる地形を造っている〔『上伊那誌 第一巻 自然篇』356ページ。〕。とりわけ太田切川は最大規模であり〔、中田切川や与田切川を合わせて三大田切川と呼ばれる〔『駒ヶ根市誌 自然編 II』109ページ。〕。 == 地理 == 木曽山脈・木曽駒ヶ岳を水源とする〔『上伊那誌 第一巻 自然篇』358ページ。〕。千畳敷カールからの中御所川、伊那前岳からの北御所川、空木岳からの本谷が合わさり、さらに駒飼池・濃ヶ池からの黒川を合わせ〔、東に流れて中央自動車道・JR飯田線・国道153号をくぐり、天竜川へ合流する。天竜川は太田切川合流点付近で大きく東側に蛇行しているが、これは太田切川が増水した勢いで天竜川の流路を押し出した結果である〔『駒ヶ根市誌 自然編 II』114ページ。〕。 太田切川の源流は花崗岩地帯の雪渓で、川底に転がる岩石は大きく、かつ美しく、建築材料として利用される〔『上伊那誌 第一巻 自然篇』359ページ。〕。源流から黒川合流点までの間の河川勾配は2分の1から5分の1という急勾配であるが〔、それより下流は勾配を緩め〔『駒ヶ根市誌 自然編 II』110ページ。〕、河口に近付くと川幅が広くなり、砂礫が散乱した状態になる〔。 河川流量は常時流量8.0立方メートル毎秒と比較的多く、既往最大流量は160.4立方メートル毎秒で、降雨後増水までの時間は比較的短い〔〔1952年(昭和27年)、伊那建設事務所調べ(『上伊那誌 第一巻 自然篇』380ページ)。〕。駒ヶ根市や宮田村の広い範囲を潤す灌漑用水として利用されており〔、その一部は上水道用水としても利用されている〔『駒ヶ根市誌 自然編 II』111ページ。〕。また、上流では水力発電も行われており、現在は新太田切発電所・中御所発電所という2か所の水力発電所が中部電力によって運営されている(後述)。 太田切川が造った扇状地は左岸側で伊那市南端のあたり、右岸側で駒ヶ根市上穂沢川のあたりまで広がっている。最も拡大したのは14万年前とされ、当時は中田切川をも飲み込み、現在の上伊那郡飯島町まで及んだと考えられている〔。かつては小田切川が太田切川から分流していたが、現在では駒ヶ根橋(長野県道75号駒ヶ根駒ヶ岳公園線)から下流は川の両岸を高い堤防で仕切り、流路を一本に固定〔。河床に数多くの床固工を配置し、上流からの土石流を食い止めている〔。河口付近の駒ヶ根市北下平では、洪水を防ぐためアカマツの木々を植えて川除林(かわよけばやし)を造っていた〔。1959年(昭和34年)以降は伐採されて水田に変わり、堤防が造られると古い河道の跡に企業が進出して開発が進んでいる〔。 太田切川は、古くはその流路が信濃国諏訪郡と伊那郡との境であったとされる〔。現在も駒ヶ根市と宮田村との境界線になっているが、中央自動車道の橋から上流の新太田切発電所までの間、距離12キロメートルの区間が境界未確定である〔。民俗習慣や方言も太田切川を境にして異なっているが、これは急流さから両岸を結ぶ架け橋が近代まで実現せず、川をまたいでのつながりがほとんどなかったからである〔『駒ヶ根市誌 自然編 II』110 - 111ページ。〕。 File:Mount Hoken from Komagane 2003-01-03.jpg|太田切川源流・宝剣岳と千畳敷カール File:Pond Nouga from Mount Kisokoma 2010-09-26.jpg|濃ヶ池周辺 File:Kuro River (Miyada, Nagano).jpg|支流の黒川 菅の台バスセンター駐車場より撮影。 File:JR Iida line and Otagiri River.jpg|太田切川をまたぐJR飯田線 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「太田切川 (長野県)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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